ガス系流体のラインのガスケット選定の基本

配管の中を通る流体には大まかに水系流体、ガス系流体、油系の流体などの分け方があります。その中でもガス系流体の場合は基本的にはボルテックスガスケットを使用することを推奨します。

メーカーのカタログなどにはガス系流体でもジョイントシート使用可となっているのですが、ジョイントシート自体が繊維・充填剤・ゴムを混錬し、圧延したシートであるので、内部に空隙が多い構造をいています。そのためガス系流体では浸透漏れを生じやすくなります。そのため使用する際にはガスケットペーストを表面と内径の端面に薄く均一に塗布し、それに加えて締め付け面圧を十分に加えることで空隙からの浸透漏れを防ぐようにします。

私自身は施工の経験がないのですがジョイントシートのこの手順が結構面倒な工程だと思うんです。

そして、微量の漏れも許されないような毒性の強いガスや真空シールの場合はジョイントシートは使用ができません。

一方、ボルテックスガスケットの場合はしっかりとフランジを締めることができればそれでOKなので施工側から見ても手順が減るため多少価格は上がりますが、ガスシールの場合は基本的にはボルテックスガスケットを推奨しています。

どうしてもジョイントシートでという事であれば上記の項目をお客様に伝えたうえで使用していただく形になるのですが、施工の難しさと漏れたときのリスクを考えるとほとんどのお客様が安全をみてボルテックスガスケットを使用されることが多いです。

ボルテックスガスケットで内輪外輪をつける理由

ボルテックスガスケットには形状が大まかに4つあります。

フィラーの部分のみの基本形。

フィラーに内輪のみがついてる内輪付き。

フィラーに外輪がついている外輪付き。

フィラーに内外輪がついている内外輪付き。

シールはフィラーの部分でするのでガスケットの機能として必要なのはフィラーの部分になります。そのフィラーの部分の保持をするのに内輪や外輪をつけるようになります。

どういうことかというと、フィラー部分のみのガスケットに対して面圧をかけていくとその面圧にフィラー部分が耐えられずに座屈というフィラー部分が外側に曲がっていく現象が起こったり、ガスケット自体がばらけてしまうことが考えられます。

なので安全の観点から考えると一番安全なのは内外輪付きになるのですが、実情で言えばコストの都合で外輪付きを使用されることが多いです。

ただ、内外輪つきで使用されることを推奨される環境が3つあります。

一つ目はフィラーが摩擦係数の小さいグラシールやナフロンの場合は他のフィラーに比べて締め付け圧力がかかりやすくなるため内外輪付きが推奨されます。

二つ目は圧力レイティングがクラス900LB(63k)以上の場合もかかる圧力が高くなるため内外輪付きが推奨されます。

三つ目はフランジの呼び径が650A(26B)以上の大口径の場合も内外輪付きが推奨されます。

ボルテックスの基本形ってだけだと選定できないって話

ボルテックスの品番でT#1804~始まる基本形と呼ばれる製品があります。

ざっくり言うと内輪も外輪もなく真ん中のシール部分であるフィラーのみの製品になります。

他の内外輪付きや外輪付きのボルテックスパッキンの場合であれば圧力と口径と材質がわかれば選定可能なのですがこの基本形に関してはそれだけだと選定ができません。

じゃあそれ以外上記以外に何がわかれば選定可能かというと、使用するフランジの形がはめ込み型か溝形のどちらなのかという情報が必要になります。

2つのフランジの違いは文字の通り溝形が決まった溝に内径外形がハマるようなタイプで、はめ込み型はフランジの上下が外形のみ凹凸の関係になっているのでそこの外形にそってはめ込んでいくタイプになります。

フランジがJIS規格で溝のサイズなりが決まっているのでそこにきちんと嵌るようにボルッテクスの寸法もそれぞれ用意されているためフランジの形も必要となります。

うず巻きガスケット(ボルテックス)の材質の決め方。

お客様からボルテックスパッキンくださいとだけ問い合わせをいただくことがあります。ただ、ボルテックスパッキンってシートパッキンに比べて材質の組み合わせが多数あります。なので基本的にどの辺を押さえておけば選定できるのかって所を書いていこうと思います。

基本的にはシートパッキンと同じで温度、圧力、流体、形状を確認していただければいいのですがこれに加えてボルテックスパッキンの場合は使用するフランジの材質の情報が必要になります。

このフランジの材質はなんで必要かというと金属は異種金属の組み合わせで使用してしまうと電位差で金属に錆が生じてしまう可能性があります。なので、ボルテックスの基本形は別として内輪、外輪の金属材質はフランジと同材質にしないといけません。仮にフランジ、ボルテックスで異種金属で施工してしまったとしても金属に錆が生じるまでにはかなりの時間が必要なのですぐに漏れが生じることはないのですが、ボルテックスを使用するラインは基本的にはメンテナンスフリーで施工したら取り壊しまで使い続ける物や、比較的高圧のラインでの使用になるのでシートパッキンのラインに比べると取り換えしづらい場合が多いと思われるので可能な限り情報を引いてフランジと同材質の物を納品していきたいものです。

因みにボルテックス、ボルテックスって連呼していますがこれはニチアスのうず巻きガスケットの名称でバルカーだったらバルカタイト、ピラーは調べたのですがあまり固有の名称が出てこなかったのでよくわかりませんが各社名称を付けています。ただ理由はわかりませんがうず巻きガスケットに関しては他社製品に関してもボルテックスで問い合わせをいただくことが多いです。何でだろう。