分割で製作するガスケットってシールできるのって話。

たまにガスケットを分割で製作することがあります。

製作する理由は様々で、一体物だと施工時に問題があることやサイズが大きすぎて運べないことや、単純にシートの規格以上のサイズのガスケットを製作をする際などです。

今まで何も気にせず分割のガスケットの図面貰ってそのまま納入していました。

あるときお客様から一体物のガスケットの図面を貰ったのですが、大きすぎて一体物で製作できないため、じゃあ分割で納めればいいんじゃないのかと分割でどうですかと提案したら、それってシール性大丈夫なのかと聞かれました。

確かに分割だから切断してある部分があるため施工時に、どんなに隙間なくつなげたところでそこのシール性なくて漏れが発生するんじゃないのかとその時初めて気が付きました。

不安があったためメーカーさんに問い合わせをしたら、やっぱり分割のためつなぎ目のシール性に不安があり多少の漏れの許容される箇所じゃないと使用は推奨できないとのことでした。客先から分割でと要望があった場合は設計した人がそこを理解している場合が多いのですが、こちらからの提案の場合はお客様からすれば分割なら製作できると説明されたから製作したあげく漏れが出るなんてどういうことだ、となってしまう可能性大なのでシール性の説明なく分割品を勧めないようにしようと思いました。

ほとんど扱ったことない防食ペースト

ニチアスの品番でT#9120の防食ペーストという製品があるのですが、先日初めて存在を知りました。

そして普段メーカーさんから配布されているカタログにも記載がない製品だったため、何のために使用するペーストなのかは不明だったのですがお客さんが必要だというのでその時はそのまま販売しました。

販売した後に気になって防食ペーストって何のためのペーストなのか調べたら、ステンレス鋼製フランジにジョイントシートを使用する場合の防食のために使用するとのことです。ただ、現状のニチアスのジョイントシートでステンレス鋼製フランジに使用して腐食するようなものは販売されていないし、自社で販売しているジョイントシートで防食ペースト使用する機会がありそうなのがバルカーのV#6500位なのかなと。

そうなってくると自然と防食ペーストを販売する機会がほとんどないのも納得できることなんだなと思いました。

正直ジョイントシートの歴史の変遷まではまだまだ勉強不足で過去のジョイントシートはステンレス鋼製のフランジに使用すると腐食したのかまでは不明ですが、製品として存在しながら現在あまり流通している感じがないのをみると昔は需要があったけどこれから無くなっていく商品なのかななんて思ってます。

異種金属のフランジ接続の際のガスケット選定。

お客様からたまに問い合わせがあることの中でフランジの片方が鉄でもう片方がステンレスの場合どういうガスケットを選定すればいいの?というのがあります。

異種金属でのフランジ接続になるので絶縁を取らないとイオン化傾向で異種金属腐食を起こします。異種金属腐食って言葉で表すと何のことかよくわからないですが、単純に錆びるってことです。錆びるといってもすぐにフランジが錆びるわけではなく時間をかけてゆっくりと錆びていくため、施工してすぐに問題にはならなくとも何年か後にフランジが錆びて、錆びた部分に多少の空洞ができて漏れが発生する可能性があります。

上記のようなことにならないために、フランジとフランジを接続するボルトを絶縁仕様にしてガスケットも絶縁仕様の物にします。

それで絶縁仕様のガスケットとなるとテフロン系のガスケットになります。

あとは使用温度やコストによって使用ガスケットを選定していきます。

簡単な例で言うとニチアス製品であれば、耐圧10Kで耐熱~100℃だったらT#9007のガスケット、耐圧20K耐熱~200℃の場合はT#1133のガスケットをざっくりと選定しています。耐圧、耐熱が上記条件より上がったりする場合は別途相談をして合うガスケットを選定するようにしています。

ガス系流体のラインのガスケット選定の基本

配管の中を通る流体には大まかに水系流体、ガス系流体、油系の流体などの分け方があります。その中でもガス系流体の場合は基本的にはボルテックスガスケットを使用することを推奨します。

メーカーのカタログなどにはガス系流体でもジョイントシート使用可となっているのですが、ジョイントシート自体が繊維・充填剤・ゴムを混錬し、圧延したシートであるので、内部に空隙が多い構造をいています。そのためガス系流体では浸透漏れを生じやすくなります。そのため使用する際にはガスケットペーストを表面と内径の端面に薄く均一に塗布し、それに加えて締め付け面圧を十分に加えることで空隙からの浸透漏れを防ぐようにします。

私自身は施工の経験がないのですがジョイントシートのこの手順が結構面倒な工程だと思うんです。

そして、微量の漏れも許されないような毒性の強いガスや真空シールの場合はジョイントシートは使用ができません。

一方、ボルテックスガスケットの場合はしっかりとフランジを締めることができればそれでOKなので施工側から見ても手順が減るため多少価格は上がりますが、ガスシールの場合は基本的にはボルテックスガスケットを推奨しています。

どうしてもジョイントシートでという事であれば上記の項目をお客様に伝えたうえで使用していただく形になるのですが、施工の難しさと漏れたときのリスクを考えるとほとんどのお客様が安全をみてボルテックスガスケットを使用されることが多いです。

テフロン板をパッキンへ加工すると品番が変わる件について

ニチアスとバルカーの純テフロン板を板材からパッキンへ加工すると品番が変わります。

なんで変わるかについては正直不明です。恐らくメーカーさんの社内で板と加工品の区別をするために品番を変えているのだと思うのですが、謎です。

品番の変わり方に関しては下記のようになってます。

ニチアス→板材T#9000、ガスケットへの加工品→T#9007

バルカー→板材V#7000、ガスケットへの加工品→V#7010

テフロンの材料自体は上記のメーカーさん以外ももちろん出しているのですが、私が仕事上で取り扱うのが上記の2社の物が多いため上記2社の製品について記載しました。

テフロン自体は同じ純テフロンでも食適が通っていないものだったり、安価なもので表面が多少荒かったりするものなど一目見てもわからないくらいの違いでグレードや種類が分かれていたりします。

ちなみにテフロン自体は数年前からちょこちょこ原料代が上がってきているのでおのずと材料としての価格も値上がりしているのが現状です。

なので、多少高くても大目に見ていただけると助かります。。。。

ボルテックスガスケットで内輪外輪をつける理由

ボルテックスガスケットには形状が大まかに4つあります。

フィラーの部分のみの基本形。

フィラーに内輪のみがついてる内輪付き。

フィラーに外輪がついている外輪付き。

フィラーに内外輪がついている内外輪付き。

シールはフィラーの部分でするのでガスケットの機能として必要なのはフィラーの部分になります。そのフィラーの部分の保持をするのに内輪や外輪をつけるようになります。

どういうことかというと、フィラー部分のみのガスケットに対して面圧をかけていくとその面圧にフィラー部分が耐えられずに座屈というフィラー部分が外側に曲がっていく現象が起こったり、ガスケット自体がばらけてしまうことが考えられます。

なので安全の観点から考えると一番安全なのは内外輪付きになるのですが、実情で言えばコストの都合で外輪付きを使用されることが多いです。

ただ、内外輪つきで使用されることを推奨される環境が3つあります。

一つ目はフィラーが摩擦係数の小さいグラシールやナフロンの場合は他のフィラーに比べて締め付け圧力がかかりやすくなるため内外輪付きが推奨されます。

二つ目は圧力レイティングがクラス900LB(63k)以上の場合もかかる圧力が高くなるため内外輪付きが推奨されます。

三つ目はフランジの呼び径が650A(26B)以上の大口径の場合も内外輪付きが推奨されます。

ガスケットの使用期間の設定ってあるの?

ガスケット特にジョイントシートのガスケットに関して使用期間だったりは設定されているのかという問い合わせがたまにあります。

カタログにざっくりとこれ以上の圧力、温度で使用する場合はこれくらいの期間で交換してくださいという目安があります。

それより細かい使用期間の設定はあるのですが使用している環境や使用方法によって大きく異なってくるので使用期間の目安がこれくらいだから今漏れが発生するのはガスケットのせいだという認識をうまないために、あえてお客様に使用期間の設定はされてないですが、カタログ上これくらいの圧力、温度で使用する場合はこれくらいの試用期間で交換することが推奨されていますくらいに伝えるにとどめています。

特にゴムなどは少し締め付け面圧をかけすぎたりしただけでも比較的亀裂が入りやすかったりするので、それで何度かゴムがすぐダメになったという話もありました。なので使用期間よりも使用方法だったり使用環境だったりがガスケットにとっては重要なんだなとその時実感しました。

うず巻きガスケット(ボルテックス)の材質の決め方。

お客様からボルテックスパッキンくださいとだけ問い合わせをいただくことがあります。ただ、ボルテックスパッキンってシートパッキンに比べて材質の組み合わせが多数あります。なので基本的にどの辺を押さえておけば選定できるのかって所を書いていこうと思います。

基本的にはシートパッキンと同じで温度、圧力、流体、形状を確認していただければいいのですがこれに加えてボルテックスパッキンの場合は使用するフランジの材質の情報が必要になります。

このフランジの材質はなんで必要かというと金属は異種金属の組み合わせで使用してしまうと電位差で金属に錆が生じてしまう可能性があります。なので、ボルテックスの基本形は別として内輪、外輪の金属材質はフランジと同材質にしないといけません。仮にフランジ、ボルテックスで異種金属で施工してしまったとしても金属に錆が生じるまでにはかなりの時間が必要なのですぐに漏れが生じることはないのですが、ボルテックスを使用するラインは基本的にはメンテナンスフリーで施工したら取り壊しまで使い続ける物や、比較的高圧のラインでの使用になるのでシートパッキンのラインに比べると取り換えしづらい場合が多いと思われるので可能な限り情報を引いてフランジと同材質の物を納品していきたいものです。

因みにボルテックス、ボルテックスって連呼していますがこれはニチアスのうず巻きガスケットの名称でバルカーだったらバルカタイト、ピラーは調べたのですがあまり固有の名称が出てこなかったのでよくわかりませんが各社名称を付けています。ただ理由はわかりませんがうず巻きガスケットに関しては他社製品に関してもボルテックスで問い合わせをいただくことが多いです。何でだろう。

塩ビフランジに使用するガスケットの注意点。

塩ビフランジに使用するガスケットの推奨なのですが一般的なシートパッキン(ニチアスの1995など)ではなくゴムのガスケットを推奨することが多いです。

元々ガスケットがフランジをシールする際にはフランジとフランジの間にガスケットを入れて、フランジを締め付けることでフランジとガスケットの間を押し潰すことでシールができています。この押し潰すときにガスケットに対して適正な面圧を掛けることができないと施工不良で漏れの原因につながります。

金属フランジであればフランジ自体が頑丈なのでボルトでフランジを締める際、十分に力をかけて締め付けることができるのでシートガスケットやボルテックスなどに対して適正な面圧を掛けることが可能です。でも、塩ビフランジはフランジ自体が塩ビなのでシートガスケットやボルテックスに対して中々十分な面圧をかけるほど締め付けることが困難なので、塩ビ配管に使用するガスケット選定の際はシートガスケットに比べて適正面圧の低いゴム製のガスケットを勧めることが多いです。ゴム自体は材質の性質上10K以下の耐圧しかないのですが、そもそも塩ビ配管やフランジ自体があまり強度がないため高圧での使用があまり考えにくいので塩ビって聞いたらとりあえずゴムを勧めています。

材質の耐圧以上のサイズのフランジにパッキンとして使用する時の確認点

普段の仕事中でよくある問い合わせなのですが、ニチアスの#9007のパッキンで20Kサイズの物をくださいとか、材質がゴムなのに20Kサイズの物が欲しいなどといった問い合わせがあります。

このパッキンは製作すること自体は可能なのですが、材質の耐圧として10Kしかないのでこのまま製作してお客さんが実際使用して実際に圧力が20Kかかると中の流体がもれます。

なので、手間ですが実際にその圧力がパッキンを使用するそこの接続部にかかるのかの確認を必ず行うようにしています。

仕事を始めたころはお客さんが20K欲しいっていってるんだから実際の圧力も20Kかかるんでしょ、面倒だから他の材質のパッキン勧めたらいいやと思ってました。ただ、実際何度か確認とってみるとただフランジのサイズが20Kサイズなだけで実際は圧力が10Kかからない場合が結構あるので手間ですが確認をとってから材質選定をするようにしています。

ただ個人的には正直言うとパッキン自体は高いものではないけど漏れが出たりすると原因究明や保証だったりの話など出てきてかなり大変なことになるので、フランジサイズの耐圧のパッキンを単純に入れていきたいなと、安パイでいきたいななんて考えてしまいます。