分割で製作するガスケットってシールできるのって話。

たまにガスケットを分割で製作することがあります。

製作する理由は様々で、一体物だと施工時に問題があることやサイズが大きすぎて運べないことや、単純にシートの規格以上のサイズのガスケットを製作をする際などです。

今まで何も気にせず分割のガスケットの図面貰ってそのまま納入していました。

あるときお客様から一体物のガスケットの図面を貰ったのですが、大きすぎて一体物で製作できないため、じゃあ分割で納めればいいんじゃないのかと分割でどうですかと提案したら、それってシール性大丈夫なのかと聞かれました。

確かに分割だから切断してある部分があるため施工時に、どんなに隙間なくつなげたところでそこのシール性なくて漏れが発生するんじゃないのかとその時初めて気が付きました。

不安があったためメーカーさんに問い合わせをしたら、やっぱり分割のためつなぎ目のシール性に不安があり多少の漏れの許容される箇所じゃないと使用は推奨できないとのことでした。客先から分割でと要望があった場合は設計した人がそこを理解している場合が多いのですが、こちらからの提案の場合はお客様からすれば分割なら製作できると説明されたから製作したあげく漏れが出るなんてどういうことだ、となってしまう可能性大なのでシール性の説明なく分割品を勧めないようにしようと思いました。

ガス系流体のラインのガスケット選定の基本

配管の中を通る流体には大まかに水系流体、ガス系流体、油系の流体などの分け方があります。その中でもガス系流体の場合は基本的にはボルテックスガスケットを使用することを推奨します。

メーカーのカタログなどにはガス系流体でもジョイントシート使用可となっているのですが、ジョイントシート自体が繊維・充填剤・ゴムを混錬し、圧延したシートであるので、内部に空隙が多い構造をいています。そのためガス系流体では浸透漏れを生じやすくなります。そのため使用する際にはガスケットペーストを表面と内径の端面に薄く均一に塗布し、それに加えて締め付け面圧を十分に加えることで空隙からの浸透漏れを防ぐようにします。

私自身は施工の経験がないのですがジョイントシートのこの手順が結構面倒な工程だと思うんです。

そして、微量の漏れも許されないような毒性の強いガスや真空シールの場合はジョイントシートは使用ができません。

一方、ボルテックスガスケットの場合はしっかりとフランジを締めることができればそれでOKなので施工側から見ても手順が減るため多少価格は上がりますが、ガスシールの場合は基本的にはボルテックスガスケットを推奨しています。

どうしてもジョイントシートでという事であれば上記の項目をお客様に伝えたうえで使用していただく形になるのですが、施工の難しさと漏れたときのリスクを考えるとほとんどのお客様が安全をみてボルテックスガスケットを使用されることが多いです。

蒸気用ガスケットのジョイントシート

蒸気用で使用できるジョイントシートはニチアス製品だと下記2製品になります。

クリンシル® スーパーの画像

https://www.nichias.co.jp/gasketnavi/gasket/detail.html?id=1993

クリンシル® トップの画像

https://www.nichias.co.jp/gasketnavi/gasket/detail.html?id=1120

(ニチアス(株)HPより)

どちらも1995よりも高温帯で使用できるジョイントシートです。

もともと1993が製品として出て、その後上位互換の1120出たような形になります。

なので、1993を入れられているラインであれば、1120を入れても問題なく使用可能です。というよりかは、1120入れてもらえた方が性能が上なので安心です。

 

温度帯のざっくりの目安としては1120であれば、水系の流体でしたら圧力20K以下にて約200℃以下で考えていれば問題なく使用可能です。

働きながら思うのは、折角上位互換作ったんだから1993辞めちゃえばいいのにってそんな感じです。

一番よくでる。ニチアスジョイントシート、1995(クリンシルブラウン)

会社で一番出る種類のパッキンはと聞かれたらこれ。

1995(クリンシルブラウン)

クリンシル® ブラウンの画像

(ニチアスHPより画像転載)

https://www.nichias.co.jp/gasketnavi/gasket/detail.html?id=1995(ニチアスHP)

 

このパッキンよく出るのですが、基本的に使用推奨しているのが、水系の流体で100℃を超えないラインです。ざっくりと低温のラインです。

一応180℃までは使用できるので、100℃以上でも使用は可能なのですがその場合1~2年程度でガスケットの交換が必要になります。(通常は5年程度使用可)

なので、メンテナンスで交換が可能なラインでかつ低温の流体が流れるラインに使用推奨のガスケットです。

一応ゴムを除く他のガスケットに比べると安いので何とかこれでいけませんかとのお問い合わせがお客様からあるのですが、多少安いものをいれるよりは、高くてもきちんと条件に合ったガスケットを選定してラインに入れないと、それが原因で配管の漏れが発生した際に多少の安さなんか吹き飛ぶほどのお金がかかるので、勤めたいる会社の方針では条件に合ったガスケットを選定するようにしています。

 

このパッキンが良く流通しているので、世の中には100℃以下の低温の流体でメンテナンス可能なラインの配管が多いのだなーと製品が出るたびに思っています。