既設配管で流体の漏れが起こった場合に初めに疑われるのがガスケットです。
漏れの原因となる主なものは下記2点になります。
〇圧縮破壊
・締め付け面圧のかけすぎ(締めすぎ)
締め付け面圧のかけすぎはシートガスケットやゴムといった軟質ガスケット特有の現象です。施工の際にボルトを締めすぎることでゴムがせり出してきたり、ペーストを塗布したシートガスケットを締めすぎたことでガスケットが圧縮破壊されることがあります。
・片締め
施工の際にボルトの1点のみを締めすぎることによりガスケットに均等に面圧が掛からず、1点のみに力がかかることでガスケットが圧縮破壊されることがあります。
・フランジのあたり面によるもの
フレア管などのフランジの施工面が均一の厚みでないフランジを使用している場合、フランジの厚い箇所に力が集中し圧縮破壊されることがあります。
・配管応力変動
配管の揺れや、配管温度の変化によって金属が伸びち縮することで施工後のガスケットに力が加わり圧縮破壊されることがあります。
上記の圧縮破壊はボルテックスガスケットでは起こりません。
〇接面漏れ
・施工時の締め付け不足
・片締め
圧縮破壊の際も片締めは出てきましたが、施工時に型締めをしてしまうとガスケットに対して面圧が均一にかからないためしっかりとシールができず漏れの原因になります。
・吹ききれ
異常内圧やハンマー現象(ウォーターハンマー)による想定外の圧力の発生によってガスケットが割れて接面部分から漏れる場合があります。この現象もボルテックスガスケットであれば発生しません。
基本的には施工時にガスケットに対して均等に必要な面圧をかけることができていれば、半分程度の原因はカバーできると思われます。
ただ、配管内の想定外の圧力の発生や配管応力変動に関しては適切な面圧をかけて施工しても防げないので、発生した場合はボルテックスガスケットを選定して再施工して対処する形になる場合が多いと思います。