ボルテックスガスケットの使い分け

ボルテックスガスケットの使い分け

2024年8月31日

ボルテックスガスケットは高温高圧の場所に使用されるガスケットです。

構造は外輪、フィラー材、内輪の3部材で構成されています。

フランジのシールはフィラー材の部分で行われ、外輪および内輪はフィラー材がばらけるのを防ぐための補強材のような役割になります。

フィラー材の部分でシールが行われる為、流体や圧力、温度に対してのシール性はこのフィラー部分で決定されます。

ニチアス製品でいうとフィラー部分の主な使い分けは3種類になります。

〇NA(ノンアスペーパー)

バルカーだとV#859~の型式に相当する製品になります。

材質はタルクをパラフィンで固めたNAペーパーと呼ばれるものになります。

ボルテックスパッキンの中で一番安価な製品になり、耐熱温度は~350℃程度の製品で後で出てくるGRよりもシール性は劣りますが低圧仕様なら内輪なしでも使用可能です。

ただ、施工時の面圧不足などが原因で蒸気がNAフィラーに触れるとフィラーを溶かして蒸気浸食を起こすことで蒸気漏れを起こす原因になる可能性があります。

〇GR(グラフォイル)

バルカーだとV#659~の型式に相当する製品になります。

材質は膨張黒鉛の為耐熱温度がNAより高い~450℃程度でシール性もNAペーパーより優位になります。

また、耐薬品性に関しても強酸性流体を除き良好です。また、GRフィラーは膨張黒鉛の特性上、NAより蒸気浸食を起こしにく低面圧シールが可能です。

ただ、フィラー部分がばらけやすいため内輪外輪を付けての仕様が推奨されています。

〇9090(PTFE)

バルカーだとV#759~の型式に相当する製品になります。

PTFEフィラーは耐熱温度が~300℃程度と多少低くなっております。

PTFEの特性上耐薬品性、クリーン性といった点では食品衛生法適合品として食品、製薬工場の蒸気ラインに需要があります。

食品や製薬工場のラインはSUS配管を使用することが多いため内外輪の材質はSUSで使用される場合が比較的多いです。

上記に紹介した製品以外にも様々な特徴をもったフィラー材もある為、上記3種類で使用条件が合わなそうであればその他を探すような形になります。